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My name is I LOVE YOU

マイネーム イズ アイラブユー

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What’s 「MY NAME IS I LOVE YOU」

本作は快快の前身である「小指値」の第2回公演(2005年5月)がその初演にあたる。初演時、出演する俳優たちは台詞を発せず、そのほとんどを感情的な動きによって表現し、すべての台詞を発するのはナレーターの男性1名のみという手法が注目を集めた。台詞を奪われた、訓練されていない未熟な身体から生まれた動きの数々はダンスと呼ぶにはあまりにも生々しく、逆にその生々しさゆえ登場人物らの感情が剥き出しとなって見る者の胸に迫ってくる。
この身体表現をメインに据えた演出方法は後の小指値、快快の今を決定づけたと言っても過言ではない。

あらすじ

近未来、TOKYO、渋谷、ハチ公前、「私は君が好きだ」と思う、その気持ちを巡るシンプルなストーリーを「読む人がいて、動く人がいる」という手法を使って描いた作品。それによって生じた体と言葉の「ズレ」がコミカルであり、また切なくもある。誰でも共有できる普遍的なものだけれど、特別視されてもい る、愛というものの話。

中3英語で生まれ変わった「MY NAME IS I LOVE YOU」

本作の日本での再演は2009年3月。海外公演を視野にいれ、全編英語でリマスター上演された。その際、日本人にも軽く意味が伝わるよう、義務教育の中学3年生までで習う英単語を使ってテキストが改訂され、台詞を発する「声」と呼ばれるナレーターはハンガリー人の女性メンバーが起用された。
英語劇になったことと等しく大きく変更されたのが俳優の台詞である。初演時ではほとんど言葉を発せず、その身体のみで感情を表現するという演出方法であったが、再演時は「なんとなくの日本語」を台詞として発するという方法に変更された。「なんとなくの日本語」とは、英語の台詞を大きく省略した一言であったり、自身の動きのオノマトペ、さらには英語の台詞や役柄からも大きく逸脱した言葉のことである。そして、俳優の身体はその日本語に引っ張られ、英語台詞との間にズレが生じる。しかし、そのズレがまた台詞の意味に一段と深みを与えていく。

「愛」についての一つの答え

ではなぜ、英語圏の観客にとってはある意味で「伝わりにくい」演出方法に変更されたのか。それは、演出家の考える「愛」の形によるものである。
初演時の演出方法では俳優は言葉を奪われ、そのことによって身体で伝えるという目的を課せられた。身体表現から生まれた新しい言葉は直接的に観客の心に伝わるものであったが、そもそも「伝えること」「伝わること」が「愛」の理想の形ではない。
私達は「わかりあえない」。そのことがこの演出の前提となっている。国や文化、宗教の違う者同士が同じ英語を使ったところで100%、その心を理解するのは到底無理なことである。それは同じ日本人であっても困難なことかもしれない。しかし、わかりあえなくても構わない。わかりあえなくとも、伝わらなくとも、ただ、「共存している」そのことが「愛」なのではないだろうか。同じ時代に生き、同じ空間で、一時を過ごす。老若男女、組織の大小、洋の東西を問わずその場が絶妙なバランスで平和を保ち共存しているということ、そしてそのバランスの中に自分が自分として生きているということ、そのこと自体がつまりは「愛」なのである。
劇中で、この「愛」について詳しく語られる箇所などはない。しかし、この「伝わりにくい」演出方法でヨーロッパ各国からは賞賛の声が寄せられ、2009年から毎年「MY NAME IS I LOVE YOU」は海外ツアーを行っている。

日本人初の快挙!!
Winners of the ZKB Patronage Prize 2010 を受賞
(国際交流基金Performing Arts Network Japan より転載)

『My name is I love you』がチューリヒ・シアター・スペクタクルの新人賞「ZKB Patronage Prize」を受賞

スイスの国際舞台芸術フェスティバル「チューリヒ・シアター・スペクタクル」の新人賞「ZKB Patronage Prize」を快快の『My name is I love you』が受賞した。受賞者の未来の活動を支援するため授与される賞金は30,000スイスフラン(約250万円)で、これまでの受賞者はStefan Pucher、400asa、Marco Berrettini、Sarah Michelson、生活舞踏工作室、Young Jean Leeなど。日本人では初の受賞となる。

 審査基準は「ユニークな世界を舞台上に創り出していること」と「ユニークな舞台芸術表現の発展と成果ある探究へのポテンシャルを作品が示していること」。受賞理由は以下のとおり。
 「『My name is I love you』はハイテクで資本化された世界における日常生活を表現力豊かに描写しており、ストーリーテリングの実験的で、高速で、軽快で、エキサイティングな形式を成立させている。超領域的で新鮮なやり方で、このカンパニーはマンガ、身体言語、ヴィデオアートなどのジャンルを混ぜ合わせている。舞台のポップな美学的、感覚的刺激は、東京の都会のジャングルで生きるハイテク世代の若者のけばけばしいライフスタイルを反映している。ここでは、主体は金銭と愛を同一視する消費者的ライフスタイルを通して自己を確立するのである。快快は成果主義社会の幻惑や倒錯と戯れ、それを巧みにスタイリッシュで、ユーモラスで、紋切型のパフォーマンスへと変容させる。半分人間、半分ロボットのようなパフォーマーたちは操り人形のように見え、消費社会と愛への憧憬の馬鹿馬鹿しさを反映している」。

演出意図

この物語は、役者が話す代わりに『声』によって語られる。
また『声』は私たちの母国語すらしゃべらない。
一般的に世界共通語とされている英語を話すが、それも最低限のレベル(日本の教育でいう中学3年生レベル)での単語しか使わない。
いわば、記号化された言葉としての『声』だ。
だから、この『My name is I love you』という舞台では、役同士がコミュニケーションをとるのが難しく、そこに隙間が生まれる。
私は、その隙間こそが愛だと思う。
私たちは普段でも隙間を身体で埋め、時間で埋め、共通の物語で埋めたいと願う。
これはどこにでもある、けれど隙間ゆえに見えない愛を探す物語だ。

東京より、愛をこめて 篠田千明

INFO

1st
Date:2005.05/07 – 05/28
Venue:studio SAI
Tokyo , Japan

2nd
Date:2009.03/07 – 03/08
Venue:5TANDA SONIC
Tokyo , Japan

3rd
EUtour2009
Date:2009.08/14 – 08/15
Venue:Szkene Theatre
Budapest , Hungary

Date:2009.08/21 – 08/22
Venue:Grand Theatre
Groningen , the Netherlands

Date:2009.08/25 – 08/27
Venue:Glej Theatre
Ljubljana , Slovenia

Date:2009.10/14 – 10/17
Venue:Foyer of HAU2
Berlin , Germany

4th
EUtour2010
Date:2010.07/10 – 07/13
Venue:Theater der Welt
Essen , Germany

Date:2010.07/17 – 07/18
Venue:Santarcangelo festival
Rimini , Italy

Date:2010.08/20 – 08/22
Venue:Zurcher Theater Spektakel
Zurich , Switzerland

5th
EUtour2011
Date:2011.08/27 – 08/28
Venue:Kanuti Gildi SAAL
Tallinn , Estonia